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魚介たっぷり南イタリアの郷土料理アクアパッツァ

アクアパッツァは、魚介類が豊富な南イタリアの郷土料理のひとつ。アクアは水、パッツァは狂う・暴れるという意味ですが、語源については諸説さまざまです。白ワインと水で煮る調理法から、イタリア語の「水で薄めたワイン」を意味すると言われていたり、「漁師が船の上で作るため、船が揺れて鍋の中が暴れる様子」「ぐらぐらと鍋の水が沸騰する様子」などの他、「ブイヨンなどを使わず沸騰した(狂った)水で煮込む料理」という説や、「水だけで煮込むのに狂おしいほど美味しく出来る」という説も。つまり、魚をオリーブオイルで焼き、あさりやトマトなどとともに水や白ワインで煮るシンプルな「イタリア版水炊き」なのです。

旬の魚を味わって、季節を感じよう

アクアパッツァの主役は白身魚。季節ごとに美味しい魚が違ってくるのは日本もイタリアも同じです。漁師たちがとれたての魚をすぐに調理して味わっているように、その時の旬を楽しむ料理です。
春ならホウボウ、夏ならイサキやスズキ。秋なら舌平目、冬なら真鯛、金目鯛にカサゴ…と、それぞれの季節の白身魚を骨付きで使います。そして、魚に加えて貝を入れることで美味しさがアップ。ブイヨンやコンソメの力を借りずに、しっかりと味が出るのは、魚介2種が入ることによるのです。また、旨み成分をたっぷり含む真っ赤なトマト、それにハーブの香りの効いた黄金のスープ。香りも見た目も実に華やかな一品です。

実は簡単!家庭で作れるイタリアン

名前だけ聞くとなんだかオシャレで難しそうな料理・アクアパッツァ。イタリアンレストランでしか食べられない…と思い込んでいませんか?実は、魚をフライパンで炒め、野菜を入れて水で煮込むだけの簡単調理法なので、家庭でも気軽に作ることができるんです。
基本的な作り方は至ってシンプル。ニンニクとオリーブオイルで鯛などの白身魚を炒め、そこにあさりとトマト、フェンネルなどのハーブと水を加え、ふたをして中火で10分ほど蒸し焼きにします。味付けは塩こしょうだけというシンプルさ。だからこそ、素材の良さがダイレクトに伝わる料理なのです。

残りのスープでパスタやパンを味わい尽くす

魚介の旨みをたっぷり含んだスープがこれまた絶品。余すところなく味わうには、パスタがおすすめ。鍋から具を皿に取り分けた後、アルデンテに茹でたスパゲッティを鍋に投入します。スープをしっかり麺に吸わせたら、これぞ究極のパスタの出来上がり!アクアパッツァの脇に盛っても良し、別皿でしっかりといただくのも良し。スープにパンを浸してもgood。
そもそも低カロリーな白身魚がメインで、とてもヘルシーな料理。こってり系の料理がどうしても多くなりがちなパーティやイベントに、味よし・見た目よし・ヘルシーと三拍子揃ったアクアパッツァは最適かも知れません!