年間 約780万人の観光客が訪れる屈指の常夏ビーチリゾート、ハワイ。晴れ渡る青空とどこまでも続く白い砂浜。日本でも言わずと知れた人気の旅行先です。自然豊かなアクティビティに高級有名ブランドが軒を連ねるショッピングモールなどハワイには見どころがたくさん詰まっています。一方でパンケーキやアサイーボウルなど気軽なハワイ発のグルメも多く、なかでもハワイを訪れたなら必ず食べたいのが、日本人観光客にダントツの人気グルメ、ロコモコです。
ロコモコは、白飯の上に目玉焼きとハンバーグを乗せてグレービーソースをかけた、いわばハワイ風どんぶり。ハンバーグを焼いたとき出る肉汁をベースにした濃厚でコクのあるグレービーソースが食欲をそそります。おいしさはもちろんのことスタミナも抜群、灼熱のハワイにもってこいのお手軽グルメです。ロコモコは小さな町の食堂から高級なレストランまで、メニューに並ぶほどの定番料理のひとつとなっていて、とろけるような半熟卵の目玉焼きや、素材にこだわったハンバーグ、時間をかけて煮込んだこだわりのグレービーソースなどその店独自のロコモコを楽しむことができます。またレタスやトマトなどフレッシュ野菜をトッピングした色鮮やかなロコモコや、ボウル（どんぶり）ではなく皿に美しく盛りつけられたロコモコなどその見た目もバラエティ豊かです。
1868年以降多くの日本人がハワイへ移民として渡りました。その後ハワイに残った人々は日系アメリカ人として定着し、現在に至ります。
ロコモコは、日系二世の夫婦の経営するレストランで、学生のために作ったのが始まりといわれています。リンカーン公園のそばにあることから「リンカーン・グリル」と名付けられたそのレストランには、スパゲッティやハンバーガーを食べに訪れる多くの学生で連日賑わっていました。ある日、「35セントで何かを食べさせてほしい」という学生のために即席で作られたのがハンバーグ・タマゴ・ライス料理、後に、その学生たちによって命名されることとなるロコモコでした。これまで付け合せ程度でしかなかった白飯の上にメインディッシュを乗せる発想という、これまで見たこともない料理だと学生たちを驚かせました。
日本のどんぶりをルーツに持つロコモコは、いまやハワイを代表する郷土料理となって多くの人々を魅了しています。